○ 救急車が現場に到着してもすぐに動かないのはなぜ?
よく質問されることなのですが・・・救急現場に到着した救急隊は傷病者を病院に搬送する際に、病院の先生から様々な事を聞かれるため、それに答えるために必要な観察(傷病者の状態を調べること)や、場合によって必要となる応急処置を現場で行っているため、到着してすぐに傷病者を救急車に乗せて病院へ出発というわけにはいきません。
救急隊が現場で行っている観察や応急処置とはどんなものかというと、具体的には次のような活動になります。
① 傷病者の状態(最初に見た感じ)を調べます。※初期観察と呼びます
救急車を呼んだ傷病者の意識状態、呼吸の状態、顔色などを確認して 緊急性や専門性があるかどうかを判断します。
② 状況を確認します。
どんな症状で救急車を呼んだのかなどを本人や家族等から聞き取ります。
本人が会話できる場合 ~ 氏名、住所、生年月日、具合が悪くなった時の状況など
本人が会話できない時 ~ 関係者(家族・同伴者)目撃者から上記の情報を確認
③ 傷病者の状態(機器を使って)を調べます。
血圧、脈拍、体温、血中酸素飽和度(血液中に酸素がどの程度含まれているのか)、 心電図などを調べます。
④ 応急処置を行います。
酸素投与や出血に対する止血、骨折に対する固定などを必要に応じて 行います。 重篤な場合(心肺停止の場合など)は心肺蘇生を行います。
※ 心肺停止などの傷病者に対する応急処置については下段で詳しく説明します。
⑤ 受け入れ病院の選定、連絡
①~③で調べた内容を処置(診察)できる病院に受け入れが可能かどう かを問い合わせます。
※ かかりつけの病院がある場合は、可能な限りそちらを優先しますが、傷病者の状態に よっては希望の添えない場合もあります。